CDC（アメリカ疾病管理予防センター）出版　『Emerging Infection Diseases』より

Almost all positive results were concentrated in the contaminated areas (ICU 54/57, 94.7%; GW 9/9, 100%); the rate of positivity was much higher for the ICU (54/124, 43.5%) than for the GW (9/114, 7.9%) (Tables 1, 2). The rate of positivity was relatively high for floor swab samples (ICU 7/10, 70%; GW 2/13, 15.4%), perhaps because of gravity and air flow causing most virus droplets to float to the ground. In addition, as medical staff walk around the ward, the virus can be tracked all over the floor, as indicated by the 100% rate of positivity from the floor in the pharmacy, where there were no patients. Furthermore, half of the samples from the soles of the ICU medical staff shoes tested positive. Therefore, the soles of medical staff shoes might function as carriers. The 3 weak positive results from the floor of dressing room 4 might also arise from these carriers. We highly recommend that persons disinfect shoe soles before walking out of wards containing COVID-19 patients.

<要約>
中国・武漢の病院内で空気や物の表面を調べたところ、陽性率がとりわけ高かったのが床でした。患者が出入りすることのない薬局であっても100%の陽性反応が検出されたのです。また、集中治療室で働く医療従事者の靴底から取ったサンプルのうち、半数から陽性反応が確認されました。CDCは報告書の中で「医療従事者の靴底は保菌物として機能する可能性がある。新型コロナウイルス患者がいる病棟を出る前に、靴底を消毒することを強くすすめる。」と警告しています。

昨今のコロナ禍における生活において、注意すべき菌やウイルスの感染経路として「接触（経口）感染」「飛沫感染」が挙げられます。この2つは手洗いや手指消毒そしてマスク着用などにより対策が行われています。これらに加えて、最近では足元（靴底、すそ）経路での菌やウイルスの屋内持込みに対するリスクが認識され始めています。

実際の使用例といたしましては、商業施設や公的施設をはじめ、足元除菌として除菌液を染み込ませたマットの活用が広く行われています。これは、新型コロナと同様のエンベロープをまとったウイルスが原因の豚熱などの感染症における除菌作業で「足元からの菌の侵入防止こそが鉄則」と言われていることにも繋がります。この足元除菌対策の普及は全国農業協同組合連合会（全農）も積極的にすすめており、この度、全農が取り扱う過酢酸製剤「ビネクリーン」を浸して使用する除菌マットのサービスを、沖縄県総代理店として初めて開始しました。

県内ではすでに渡嘉敷村で、島の玄関口となるフェリーや高速船の搭乗口、役場施設の出入り口に除菌マットを設置するなど、自治体でも導入が進みつつあります。玄関口の手指消毒と同じ設置場所に除菌マットを敷くことにより、ストレスを感じず無意識に手元と足元を同時に除菌することが可能となります。